未来が見えない『Previously invisible』
琴音‥‥side


私は、何をどうして
どうしたら、いいのか
わからなくて
ゆっくり、考えて見たかった。

私は、どこをどう歩いていたのか
私の大好きな場所にきていた。
大学のピアノ室
ここは、特殊な所で
私の尊敬する、泉先生だけの場所。

そこは、何故か
開いていて、中に入り
ピアノを触り、引き始めた。

引き終わると
「パン、パン!」
と、拍手。
振り向くと‥‥‥泉先生‥‥

「‥‥先生‥‥」
と、声なき‥‥声で‥‥
私は、泣き崩れた。

「琴音っ」
と、先生は、抱き締めてくれた。
私は、声をあげて、まるで子供のように
泣いた。

泉先生は、ずっと私を抱き締め
背中を擦っていてくれた。

一時間、二時間たっただろうか
琴音は、
「‥‥‥先生っ、すみません。」
と、言うと

「琴音、久しぶりね。
練習怠っていたのかしら
ずいぶん、下手くそになって。」
と、言った。

私は、可笑しくなり
笑いだしてしまって

「はい、先生。
練習怠っていました。」
と、言うと

先生は、何も聞かずに
「琴音、私の家にくる?」
と、言ってくれたから
私は、コクンと頷いた。

私は、先生のお家も大好きで
温かくて、明るくて
全てに癒される空間だ。

先生と食事をして
ピアノを弾いたり
先生のピアノを聞いたりして
過ごした。

先生は、
「琴音が良いように
    ここにいなさい。」
と、言ってくれた。

私は、先生の優しさに
感謝した。
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