未来が見えない『Previously invisible』
泉先生は、五年後には現役から
退き、老後は海外の友人のところに行き
残りの余生を楽しむ事に決めていた。

先生らしい‥‥‥

日本の家を、私に譲と言ってくれたが
渡瀬の両親から、離れるので
丁重にお断りをして
先生の手で、キチンとしてもらい
日本から離れてもらった。

樹も渡瀬の両親も
私の大好きな場所で
大好きな先生の家だったから
移り住んでいいと
言ってくれたが、
子供達に、祖父母の愛情や存在を
きちんと知って育って欲しかった。

自分や匠には、出来なかった事だから。

泉先生は、ちゃ~んと、わかって
言ってたはず・・・

私は、この五年は、
少しでも、先生に恩返しを
そして、先生からの愛情を
沢山もらった。

琴音は、先生の後を継ぎ
リサイタルや大学で指導を
した。

樹は、海外のモデルも引退して
日本の会社の幹部として
仕事をした。
まあ、海外からのお客様を通訳したり
接待したり、新人教育したりと
忙しそうにしていた。

月紫は、短大に進み
幼稚園の先生になり。

大雅は、母親を見ていたからか
医者になりたいと
医学部にすすんだ。

弦は、樹と琴音の血を濃く引き
モデルの道を進むため
海外に修行に行く。

匠は、綾ちゃんとの間に一人娘が
でき、この子も医者を目指す。

渡瀬の両親は、隠居して
今まで、忙しかったから
二人で、あちこち旅行をしている。

だが、琴音のリサイタル時は、
必ず観に来てくれる。
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