ゲームメモリーズ零



『なんか喋れば?』
『なんにも言えないのー?』
『お化けみたいだな、お前』
小さい頃、イジメみたいなのをされていた。まぁ、そこまで酷いことはされていない。教科書に落書きされたり、物を盗まれたり、蹴られたりくらい。
「何してんの」
『あ、祐輔くん・・・』
『何もしてないよー話してただけー』
あはははっと甲高い声を出して笑う女子が苦手だ。俺と話すときには低い声なのに。
「直人」
祐輔くんに呼ばれる。恐る恐る顔を上げると、彼は教室のドアを開けていた。
「帰ろ」
祐輔くんは振り返る事もなく去っていった。
「おら早くしろ!!」
痺れを切らしたのか、急に怒鳴る。
「ま、待って・・・!」
慌てて追いかけ、勢いよく教室を出ると、祐輔くんが立っていた。
「うわ!」
避けきれずに祐輔くんにぶち当たる。やってしまった・・・。
「もう、なんだお前」
早くしろよ、と言いながら堂々と歩く祐輔くんに、俺は憧れていたんだろう。
「うん」
顔を上げることなく、俺は祐輔くんに着いて行った。


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