僕の命が尽きるまで





「……母が死んだ時、私、泣かなかったの。ううん、泣けなかった。涙が出てこなかった。親との綺麗な思い出なんて、ないから。学校で「消えろ」とか「犯罪者」って言われても何とも思わない。喜怒哀楽の哀が欠落してるのかも」


ゴシゴシと手の甲で涙を拭いた。



……馬鹿だ。


馬鹿だ、馬鹿だ。


僕はなんて馬鹿な人間なんだ。





「生活は、母の残したお金でやっていけてるの。でも、そのお金はいずれは底をつく。このままじゃダメ……どうにかしなきゃいけない。これから先の事を考えると、本当は不安でたまらない」



どうして僕は……。




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