ボーイズロード ―first season―
「お、だいぶ球速くなったな」

俺も昔はピッチャーだったが、偶然なのかこいつもまた同じようにピッチャーだ。野球センスがあるところは、俺に似ているんだろうな。


「そりゃそうだよ。毎日練習してるんだから。運動不足の兄ちゃんとは違うんだよ。

あとで変化球の練習も付き合ってね」


確かに運動不足だ。ちょっと投げただけで明日は筋肉痛だろう。


「そういえば兄ちゃん、こないだ練習のときグラウンドにハセが来てたよ」

「ハセ?なんで」


初めて聞いたが、今までもハセは部活のないときに小学校に顔を出して指導をしていたそうだ。


「ハセ、こないだはほんとに久々だったよ。やっぱ立堂の部活はハードなのかな。

……あ、思い出した!兄ちゃんに渡すものあったんだ!」


優太はカバンから折りたたまれた小さな紙を取り出した。

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