ボーイズロード ―first season―
「ハセに兄ちゃんのアドレス聞かれたけど、兄ちゃん携帯もってないっていったら、これ書いてくれたんだ」

そこにはハセのアドレスが書いてあった。


「携帯買ったら連絡ほしいって。ハセ、兄ちゃんに会いたがってたよ」

「……そうか、わかった」


よし、週末母さんに携帯を買ってもらおう。

野球がやりたくなった訳ではない。ただ俺も友達としてハセに会いたい気持ちがあっただけだ。

多分きっと、あいつも同じように思っているんだろうな。


「ほら兄ちゃん早くボール投げてよ」

俺は優太のグローブをめがけて、ボールを投げる。

ボールをキャッチする音が、満開の桜の中で響き渡った。

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