ボーイズロード ―first season―
♡13章 木もれ日
「最近ニーナ4組行かなくなったね」

「別れたの?愛ちゃんと」

茜を諦めると本人に宣言した俺は、もう4組に用はなかった。

とは言っても、あいつは自分を好きでいてくれる男のこと、気になったりとかしないのか?


茜が俺らのクラスの前の廊下を通っても、ちっとも教室の中に目を向けたりしない。

普通、好きって言われたら自分に好意がなくても多少は気にしたりするもんだけど。いや、好きとは言ってないから違うのか。


だけどここまで何もないと、あの時抱きしめたのは夢だっけって思っちゃうよな。

今でもこんなに腕の感触が残っているのに。


ま、俺なんてそんな程度なんだ。分かっちゃいるけどな。

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