フレッシュ! 学園のアイドル!
「出来れば」

 芽琉香の了解を得て佐貫さんはニッコリと微笑んだ。

「そうですかぁ、では」

 ところで芽琉香ったら、自分のやり方が問題視されて理解出来ないでいるようだ。

「私の練習方法は間違いだって言うの?」
「肝心の基礎が出来ていないと思います」
「出来ていない」
「ボイストレーニングはしっかりとやったのかどうか疑問ですし、振り付けの方もダンスの基礎がなっていないから変にぎこちなかった。それに焦り過ぎていましたし、だから足を捻挫して転倒してしまった」
「あれは…、ついつい夢中になって転倒しただけだよ」
「誤魔化したってダメですわ。こっちはちゃんと分かっていますから」
「別に、誤魔化しているワケじゃないけど」

 佐貫さんは芽琉香のステージの様子をしっかりと見ていたから、問題を的確に答えられるんだね。
 なのに芽琉香の方はまーだ、自分の間違いを理解出来ずにいる。
< 133 / 211 >

この作品をシェア

pagetop