NIGHTMARE.
「父さんにも…殴られたことないのに…」
「殴ったんじゃなくて蹴ったんですけどね…」
ありがちな台詞を吐き出す茶髪に呆れつつ。
「お兄さんこそ危ないですよそうやっていろんな人にそういう事言ってると」
「………」
ポカーンと口を開けたまま私を見上げる茶髪。
すると急にクックッと可笑しそうに笑い出し
「そうだねほんとそうだ」
さっきの笑顔とは全然違う自然な笑顔だった。
その笑顔に少し苛立ちも収まった。