俺が虜にしてやるよ。
私は、半ばやけくそになって仕事を終わらせた。

「・・・マリア?」

「ノア」

「お前・・・。こんな時間まで何をしてたんだよ」

「ノアこそ、何してたのよ」

「女から逃げてた」

「ノアらしいね。」
私は、クスッと笑ってみせる。

ノアに悟られてはいけない。

笑顔を演じるんだ・・・。

「マリア、帰るぞ」

「うん。」


私達は、無言で教室を後にし、迎えのリムジンに乗り込んだ。

その時、校舎の影に隠れていた人がいることに、気づかなかったんだ・・・。
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