∞1208∞

CLUB



「おかえり〜
今日早くないー?」

「よしろおーただーまー」

「コウヤおかえりぃぃ♪
コウヤの好きなハム野郎かってきたわよ」

「ハム太郎よ。いやぁねぇコウヤ〜、下世話なおじちゃんはいやねぇ。
ほら、リリタンの所おいでおいで〜♪」


我が家は今日も賑やかだ。
合い鍵を持ってるもんだから和義とヨシロウは週に4日はこうして出迎えてくれる。


「ただいま」

パンプスが絡まって脱ぐのに手間取るのも、いつものあたしらしくない気がしてため息が漏れる。

「!?」

もたれたドアが急に開き、グラっと背中から後ろに倒れそうになった時

「あ、おかえりなさい。」

ふわっと支えられて
それが誰の腕で胸なのか、すぐにわかるあたしは
あたしらしい。
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