∞1208∞
冷たいフローリングに寝転がると
ピントの変わった空はまた一段と高く
飛び出せば飛べてしまいそうな錯覚が産まれる。

静かな片田舎の此の街は
真っ昼間だと言うのにとても静かだ。


起き上がってぐしゃぐしゃになった髪をかき揚げる。

ぴたぴたと足を慣らし鏡台に座り
しゅぱしゅぱと化粧水を振り掛けたあたしは
少し考えてマスカラを置く。

ファンデーションを叩いて眉を描き、鏡台を立つ。


手櫛で髪を直せるからパーマは楽でいい。
緩い縦ラインはふんわり重い。

あたしはサングラスを選びながらクローゼットを開ける。

ホリスターの八分丈ラグランを引っ張り出し
ワイドバギーに足を突っ込み腰でかっちりベルトを締める。
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