香りから始まる恋はいかがですか?


俺は部長と別れた後
安藤にラインを入れた。

『長谷川部長に相談して、
相手の女との問題は、
解決しそうだ。

明日、夏を迎えに行こう
と思うけど、いいか?』と。

すると安藤からは、

『あぁ、うちは構わない。
ただ・・・なっちゃんは、
相当参ってるぞ?

未だに
感情はあまり表に出さないし、
今日も不動産屋に行って
家を探そうとしてたらしい。

それにしてもよー。
なっちゃんの作るご飯って、
旨いのな!

お前、こんな旨いもの
喰わせてもらえてたのに、
ひどいことすんのね。

おいしくいただきました』

と返事が来た。

はぁ・・・いまの俺は、
アイツになんも言い返せねー。

ただ
夏が家を探そうとしている
と言うのは気になった。

彼女は
いま一緒に住んでる家から
出ていこうとしているのか?

もう俺には付いてきては
くれないのだろうか?

胸がざわつき始め、
背筋に冷たいものが走る感覚を覚えた。
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