婚約者は高校生
俺の腕にくっついたのはモデルの沙梨。
圧倒的な存在感と小悪魔的な瞳が魅力的だ。
そんな彼女から言い寄られたら大概の男は鼻の下が伸びるのだろうが、俺にとっては仕事相手でしかない。
男性のみならず、女性からの支持も高く、彼女が宣伝するものは販売数が飛躍的に伸びることから今回の起用を決めただけのことだ。
食事に誘われようがどうしようがとりあうつもりはないが、機嫌を損ねて「降りる」などと言われてはたまったものではない。
…いかに機嫌を損ねないように断るか気を遣っているというのに。
「…彼女はあくまで仕事相手だ。それ以上でもそれ以下でもない」
「そうですか…」
もったいない、と言うような表情を浮かべる山科に背を向け、俺はその場を後にした。