婚約者は高校生
……はずだったのに。
なんでこんなことになったんだろうか。
静かな空間に水が流れる音と時おり響く鹿威しが今の現状を伝えている。
そう、ここは都内の老舗料亭の一室。
そこで俺はなぜか見合い相手を待っていた。
『相手はいいところのお嬢さんだ。失礼のないようにな』
そう言ったお祖父様がうらめしい。
なんで今回に限って断ってくれなかったのか。
いい歳なんだから断るならいい加減自分で断れとでも言いたいのだろうか。
仕方がない。
うまく言って相手から断るように仕向けよう。
そう心に決めて相手を待っていると、
「失礼いたします」
スッと襖が開き、まず付き添いと思われる女性が部屋に入ってきた。
そして、その後ろから見合い相手と思われる若い女性が姿を現した。