婚約者は高校生
「あ、すみません。ちょっといいですか」
ひとこと断ってからメールを確認すると、そこには『わかりました。待ってます』というメッセージが書かれていた。
先ほど送ったメールの返信だ。
俺は携帯をポケットにしまうと、すまなそうに眉を寄せて女子社員を見つめる。
「申し訳ありません。魅力的なお誘いなんだけど、これからあいにく予定が入っているから」
「あ…そうですか。わかりました、では次の機会にでも」
女子社員は諦めたようにそう言うと、頭を下げて俺の前から立ち去っていった。
俺はその背中をすまなそうな笑顔を作って見送る。
…次の機会なんてないし、作らないけどな。
面倒事は極力避けたいし。
さてと。
誰もいなくなったことだし、俺も帰るとしますか。
俺はカバンを手にするとエントランスへ向かった。