狼と赤ずきん。
ある日、赤ずきんの後をつけていると、彼女は、やはり小動物たちに囲まれてしまっていた






笑いながら、楽しそうに遊んでいたが、そのうちに赤ずきんは寝てしまった







これは、チャンス?








もしかして、赤ずきんに気づかれずに、赤ずきんに近づくことができるのでは?









俺は、ほぼ無意識に、引き寄せられるように赤ずきんに近づいた







小動物が逃げていく







少し可哀想な気もしたが、すぐにそんな感情は消え失せた










間近で見る赤ずきんは、遠くで見るよりもずっと、可愛らしかった









太陽のいい匂いがして、つい鼻を近づけた







その瞬間










銃声が轟いた










見事に首を撃ち抜かれたようで、体が地面に叩きつけられる





迫り来るし死を自覚していると、息を飲む音が聞こえた





銃声に、赤ずきんが起きてしまったようだった










見開かれた大きな目には、少しずつ涙が溜まっていく








ああ、赤ずきん、どうして泣くの?









そんなに俺が怖かったのかい?








それならば、俺は、早く死のうか。











やっぱり、狼と赤ずきんは、幸せになんかなれなかったんだ









ごめん、不幸せにさせて






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