魅惑な彼の策略にはまりました
「今、アネラに連れてかれて、バーに行ってきたんだけどさ」


宗十郎が当たり前のように話し出す。私は聞こえないふりを決め込んでスマホを片手にメール返信のフリ。
リリが聞いているので、構わず宗十郎が続ける。


「ガッツリしたメシがねーんだよ。信じられる?」


「まあ、バーだしね。焼うどんやお茶漬けはないわよ。……っていうか、宗十郎、四季を前に他の女の話とか。デリカシー無いんじゃない?」


リリが私をクイクイと指し示す。ちょっと!そこで私を巻き込まないでくれます!?
宗十郎は口を聞かない私を見て、にっと笑う。


「四季―、反応ないけど」


「する理由ないもん」


「お、ツンツンしてんな。早速、嫉妬の気持ちを感じたか」


この男、また私を無用に妬かせようとくだらない小細工を……。


「私は関係ないことだから」


「『他の女と飲みに行く暇があったら、私のとこに来なさいよ!』くらい言えないの?もうちょっとガンガンきてくんないと、恋人ごっこにならないぞ」


私の神経を逆撫でする、宗十郎の物言いに、ここ数日の怒りと不満がふつふつとわいてくる。


「宗十郎!あんた、いい加減にして!」
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