魅惑な彼の策略にはまりました
「宗十郎にとっても、メリットがあるからやってるんだと思うわよ。おとなしく付き合ってみたら?」


「メリット?そんなものないわよ。ちょっとしたゲーム感覚でしょうよ」


「そうかしら。宗十郎だって、あれで昔……」


リリの話の腰を折るようにがらりとドアが開く音が聞こえる。


「噂をすれば」


リリが言うので、視線を巡らせると、引き戸を後ろ手に閉める宗十郎の姿。
今日は遅くなるけれど、顔を出すとは言っていた。

私は唇を結び、願う。私の顔色が変わりませんように!


「うーす。ねえ、俺、腹減ってんだけど、炭水化物頼んでないの?」


いつもながらのローテンションで宗十郎は私たちの小上がりにやってくる。
靴とコートを脱ぎ、私の隣にどさりと胡坐座をかいた。半端丈パンツをここまで可愛くカッコよく着こなせる30代男子はめずらしい。


「30代の女が夜中に炭水化物ツマミにしてたら、マズイでしょう」


リリがたこわさをずずいを宗十郎の前に送り出す。
宗十郎は「イラナイ」と押し返しながら、もう片方の手をあげ、生ビールと焼うどんを頼んだ。
< 47 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop