魅惑な彼の策略にはまりました
宗十郎は頭をぽんぽんと撫でると言った。


「どうせならさ、俺と子ども作ってみる?」


「馬鹿!冗談でもやめてよ!」


リリに怒られた記憶が生々しい私が、鋭く叫ぶと、宗十郎は不思議そうな顔で覗き込んでくる。


「変なことを言ってるつもりないよ。俺は四季と始めたい」


「何をよ」


「恋愛」


今度はどういう手だろう。
フリが本気になったっていうバーチャルシミュレーションが始まるんだろうか。


「恋する気持ちをご指南してくれるって話が変わってるんじゃない?」


「そうだね」


宗十郎は素直に頷く。その口調はいつもの軽さがあったけれど、瞳だけが奇妙にまっすぐだ。


「でも、四季ならいいや。このまま試しに付き合ってみようよ」


なんでそんなことを口にできるんだろう。
やはり恋愛感が決定的に違うのだ。

軽く言わないでほしい。
そんな手で私は困らせないでほしい。
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