鈍感プリンセス


パンを口に運びながら真顔で


こちらを見てくるのは


小学5年生の弟の彪我。


「あーもうごめんね!」
 

イライラしながら彪我に叫ぶ。


「行ってきまーす!」


勢い良くドアを開け、自転車を出す。


「ちょっと瑞葵!ごはん食べないの?!」


そんなお母さんの声なんて


聞こえない振り。

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