わたしの朝
時間と鬼ごっこ
みんなの評価が自分の評価。
昔からそうゆう性格だった。
あまり褒められたことじゃない。
自分で自分を褒めてあげられない。
だから、人目を必要以上に気にした。
「遊ぼう?」
と言われると、自分を必要とされている気がした。
だけど、“遊ぶ”というスケジュールは、私の中で遊びやリラックスの時間ではなく、課題になっていった。
病気を説明して理解してもらっても、病気に対応できる子は少ない。
迷惑も心配もかけたくない。
頓服薬をまるでお守りかのように握り、戦場に出ていく戦士と似たような瞳で家を出る。
それが私のスタイルになっていた。
笑顔を絶やすまい、空気を崩すまい、そう決意の表れだった。
そうまでしてでも、私は遊びに出かけた。
何かが急げ急げと私を急き立てる。
もう時間がないことをどこかで悟っていたからかもしれない。
みんなの顔を見ておきたい、できるだけ沢山の思い出を作りたい、みんなの期待に沿いたい、そんな気持ちから。
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