御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
前から見てもかっこいいが後ろ姿も素晴らしい。

こんな機会きっとこれが最初で最後だろうからじっくり目に焼き付けておこう。

と後姿をガン見しながら後をついて行った。

そしてついて行った先に少し驚いてしまった。

だってそれはさっきまで直美と友香の3人で飲んでいた居酒屋だったからだ。

偶然と言えば偶然だけど・・・

わたし数十分前まで鈴城君の悪口言ってたんだよな~

本心じゃないけど・・・・なんだか後ろめたさを感じる。

鈴城君が店員に2名と告げると2名席の個室に案内された。


こ・・・これはデートというの?

いやいや・・・それはない。ない。仕事の相談に決まってる。

だけど1対1だよ。

これがドキドキせずにいられますか?

ドッドッドッとまるでドラムの様に鼓動が聞こえる。

そんな私の事など知ってか知らずか

「飲み物決めた?」と笑顔でメニューを差し出した。

「えっ・・・あっ・・・・はっ・・はい」

って本当は決めてないけど・・・・こういう場合、

緊張を和らげるためビールにした方が

いいのかな?それとも可愛らしくカクテル?

あ~~~どうしよう!とプチパニック状態だというのに

気が付きゃもう店員が目の前に

「とりあえず…俺はウーロン茶・・・・藤原さんは?」

「えっ?わ…私は・・・・私もウーロン茶で」

「後は・・・・決めておきます」

ウーロン茶か~~その選択肢はなかったわ・・・・

先に言わなくてよかったと心から思った。

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