御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
「鈴城君の海外赴任のこと。ほら、私って鈴城君と同じフロアでしょ。
結構、話題になってるんだよね~。もしそうなったらやっぱり奥さんだから
のあもついて行くだろうし、そうなったら寂しくなるなーって」


海外赴任の話が出ていることは聞いてるけど、その後鈴城君から何もきいてない。

だって本決まりになれば私たちは別れることになる。

そう思うと聞くのが怖いというか・・・・

でも海外赴任になっても私は一緒について行くことは出来ない。

「ねえ・・・もし私が彼と一緒に行かないって言ったらどう思う?」

「え?」

友香が目を丸くし、驚いた様子で私を見た。

「いやいや、たとえばの話。新婚で旦那さんだけ単身海外赴任とか普通ないよね」

私は慌てて否定した。

「当たり前じゃない。まさか旦那を単身で海外赴任させる気?それ絶対まずいって!
だってあの鈴城君だよ。ブロンドのお姉ちゃんだって黙ってないよ。
あれは世界に通用するイケメンだからね!」

友香は驚きを露わにし、早口で私の意見を一喝した。

「は・・・はい」

友香の言っていることは正論だし否定など出来なかった。

「いい?間違っても鈴城君一人を海外赴任させちゃだめよ!わかった?」

「は、はい」

友香に釘をさされはいと返事するしか出来なかった。

やっぱり・・・世間的には私が日本に残るって言うはあり得ないよね。

だけどね・・・実際問題、一緒に行くことはできない。だって私達離婚するんだもん。


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