御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
しばらくすると電話を終えた直美が戻ってきた。

「ごめんね」

直美の表情はさっきよりすっきりした感じに見えた。

「で?話はどうだった?」

直美は私と友香を交互に見る。

「うん・・・別れた」

『マジ?』

私と友香の言葉が重なる。

「だってどう考えても・・・幸せになれないってわかったし、それに奥さんと
別れる気がないって言うのが妊娠ではっきりわかったから別れるって選択肢しか残ってないじゃん
さっきは一人になるのが寂しいって思ったけど、彼と話をしてたら何だかばかばかしくなって」

直美は元気そうに振る舞っていたけど目は真っ赤だった。

でもそりゃそうだよね。

直美にとっては真剣な恋だったんだもん。

「でも課長は納得したの?」
友香が心配そうに聞く。

別れたくないと言ってた課長がすんなりOKしたのかと疑問だった。

「最初は渋ってた。だから言ってやったの。『私とこのまま関係を続けるようなら
課長の家庭をぶちこわすかも』って・・・そしたらすぐに承諾してくれたよ」

直美は拳を握った。

「あははは・・・・直美らしいわ」

3人で顔を見合わせ笑った。







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