御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中

諦める勇気

「遅らせる?」

鈴城君の意図が全く読めず首を傾げる。

「のあは日本に残り今まで通り鈴城のあとして働き、俺はアメリカに行く。
離婚届けはのあに預けるから2ヶ月後に離婚届けを提出する。理由はどうでもいい
俺を最低な男にしたてあげてもいい。現地で恋人ができたとかね。
そうすれば周りからの冷たい視線も回避できるだろ」

たしかに鈴城君の案だったら私のダメージは低くなる。

それこそ同情されるくらいだ。

だけどなんか違うし、そんなことを望んでいるわけじゃない。

「気持ちはうれしいけど・・・・それはできない」

「なんで?」

断る理由がわからないとでも言いたげな目を私に向けた。

「だってそんなことしたら鈴城君のイメージが悪くなるばかりか
この先きっといろんな出会いが待っているはずなのに私のー」

「ないよ」

鈴城君がまっすぐ私の目を見る。

「ないって・・・」

「のあと別れて別の人とどうこうなろうと思ってないし、再婚もしない」

嘘を言っている様には思えなかった。
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