御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中

素直が一番

『偽の結婚?』

直美と友香の叫びに近い声が居酒屋に響き渡る。

「ちょっと~~声が大きい~~」

頭を低くし、周りを見渡すが2人はそんなことはどうでもいいと言わんばかりの

表情を私に向ける。

「はあ?何が『声が大きい~』よ。これが黙っていられる?

ちゃんとわかるように説明してよ」


三日後に私と鈴城君は赴任先のサンフランシスコへと旅立つ。

私も現地スタッフとして辞令が下りた為

ここ3週間ほど仕事もプライベートも慌ただしい日々を過ごしていた。

だけどその間、私はずっと考えていたことがあった。


それは私と鈴城君が結婚した本当の理由だ。

黙っていれば知らずにすむ。

何だろうけど・・・・
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