御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
やっぱりそれは出来なかった。

そもそも鈴城君に対して好きなのに好きじゃないと嘘をついて

こんなにも遠回りをしてしまった。

友香と直美に嘘をついたまま行くのは友達を裏切っているようで

出来なかった。

もちろん鈴城君にも相談した。

「誰よりものあの事を心配していたのはあの2人だと思うよ」

その一言で私は2人に真実を話す決心をした。

だが、想像通りのリアクションに一瞬だけ逃げ出したくなった。

でも怒られるのを覚悟で

今までの経緯を話した。


「ちょっと待ってよ~~。じゃあ何?私たちに鈴城君なんか
大嫌いって言ってたけど本当はめちゃくちゃ好きだったって事?」

友香が口を半開きにしながら眉間にしわを寄せる。

「ごめん」

続いて直美

「鈴城君は、外野がうるさくて仕事が出来ないから女避けにのあと
結婚したいって言ったのを、のあは引き受けたって事?」

「う・・・うん。と言っても実際は、鈴城君も
私の事が気になってたらしいんだけどその~」

「何よ」

「結婚する前に3人で一緒に飲んだことあったでしょ?あの時・・・
私例の如く鈴城君の悪口言いまくったじゃん。あれを聞かれてたのね」

『あちゃ~~』

やっちまった顔の2人の声が重なった。

だけど、期間限定でも一緒にいたい気持ちが大きかった事を2人に説明すると

直美は「辛かったでしょ」と同情の言葉をかけてくれた。

「うん・・・・誰にも相談できなかったし、別れるって前提だったから
その日がいつ来るか不安だった」
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