御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
別に悪いことなんかしていないのになんだか一人あたふたして

自室に入るべきかそれともその場にいるかおろおろしていると

鈴城君がいつの間にかリビングに・・・


「おかえりなさい」と一応言ってみた。

だが私の顔をみて鈴城君は『ただいま』ではなく

「あっ・・・」

いるんだとでも言いたげな目で私を見た。

「遅いんだね。やっぱり・・・忙しいんだ・・・」

鈴城君は時計をチラリとみると

「・・・・まあね」とそっけない態度。


これで会話終了ね。

「じゃあ・・・私はこれで・・・」

邪魔者は退散します。という気持ちで自室に行こうとすると

「別に俺が帰ってきたからって慌てて部屋に行くことないけど・・・リビングは
共有スペースだし・・・・寝るには早いんじゃね?」

確かに寝るには早すぎる。

それにさっきのドラマの続きも気になる。

「じゃあ…お言葉に甘えて」

私はささっとソファーに座りテレビの電源を入れた。

「俺は着替えたら風呂入るから・・・」

低いトーンでぼそっと言うと鈴城君は自室に入っていった。

「は・・はい」

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