御曹司はかりそめ若奥様を溺愛中
でも本当は好きで好きでたまらない。

わたしって本当に大バカ者だ~~~

「でもさ・・・そこまで嫌いになるって・・・のあと鈴城君なんかあったの?」

友香が真剣な眼差しで問いかけてきた。

そんなことあるわけないじゃん。

それどころか

入社式の時私が配線カバーに蹴躓いてコケそうになった時

咄嗟に私の腕を掴んでくれた。心優しき好青年だったんだよね。

何度思いだしても胸がキュ~~んっとまるで雑巾で絞ったように

締め付けられるんだよね。(絶対に言わないけど)

そんな経験をしておきながらも私ってば

「だって腹黒そうじゃん、私みたいに中の下の下なんか問題外、話しかけんな
とか絶対に思ってそうだもん」

「それ考えすぎだよ。漫画の読みすぎなんじゃない?」

と直美は呆れてる。

はい。全くその通りで漫画にありがちなドSキャラに仕立てただけです。

ごめんね鈴城君

心の中で詫びを入れながら

私たち3人はゴールの見えない恋バナをつまみに酒を飲んだのだった。


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