好きにさせて
「とりあえず、佐倉 琴波くんの住所教えなさい」
「真顔で言うな、こえーよ」
何というセリフだ、これ絶対教えちゃいけないやつだね。まぁ、一緒に登下校するくらいだからコトハはわたしの家の隣の家に住んでるんだけどさ。
「はあ〜もう。どうするよ〜?バレンタイン日曜日じゃ〜ん!」
「やっぱり当日にチョコ渡したいよね〜」
「こりゃ〜金曜日派と月曜日派に分かれるなぁ〜」
おまえら一体、バレンタインに何かけてんだよ。昔のわたしもこんなもんだったけどさ。
「さくらっち〜日曜日を金曜日に変えて〜」
「そうよ〜さくらならできるわよ〜」
「…むりだから!そんなのできないから!」
「だってこれもう〜このまえさくらがフラれた嫌がらせでしょ〜」
「「「「はぁあぁあああ…」」」」
……ほんと、失礼極まりないな。ため息つくな。わたしがため息つきたい。
なぜ、フラれた話題ばっかり持ってくんだよ。確かに最近わたしがフラれたのが悪いかもしれないが仕方ないだろ、いや、うん。わたし悪くねーよな。
バレンタインなんかこの世から消えてしまえばいいのに、と本当にそう思う。
わたしの記憶にあるバレンタインはいつだってコトハが中心にいた。わたしが中学2年生の時までそれは続いた。