好きにさせて
最初はチョコレートの日だなぁって認識しかなかった。チョコレートは好きだしバレンタインデーは好きだった。
小学校になったとき、お母さんに言われた。バレンタインっていうのは女の子が好きな男の子に想いを込めてチョコレートを渡すんだよって。
小学2年生の時までお母さんと一緒にわたしはチョコを作って隣の家のコトハに笑顔であげたんだっけなぁ。
コトハもありがとうって笑ってくれてた。少年の頃のコトハが懐かしいや。
次の年からはわたしはひとりで作れる!って意気込んでコトハの家にお邪魔してコトハの家で作るようになった。
コトハのためだけに、ね。
最初のうちはラッピングに“ずっと好きだよ!”のメッセージカードを入れてたんだけど、コトハが何も言わないから、小学5年生の時かな…
ちゃんと自分の口で“コトハが好きです”ってなんとか言えたの。コトハのお嫁さんは咲来が良いって、あの時の緊張感は今でも忘れられない。
コトハをそういう意味で、ちゃんと好きだって初めて伝えたから。
コトハがどう反応するかなんて考えもつかないし、伝えたら一緒にいた毎日がどうなるかなんて分からなかった。
だけど、それでも。あの時のわたしは伝えたんだ。
コトハの返事は、ありがとうの言葉だけだった。
子どもながらに分かってたんだ、コトハがわたしをそんな風に見てないことなんて、だからやっぱりかぁってぎゅっと胸を潰されるだけで悲しくなんかなかった。
だって、わたしはずっとコトハの隣に居れるもん。
幼なじみだから。