好きにさせて
校舎内へと戻ればそこは戦場となっていた。というか、戦場となった。
コトハが現れたことで。
「佐倉くぅ〜ん!!」
「佐倉せんぱいっ!!バレンタインチョコです!」
「あたしのも!!!どうぞ!!!」
みんな積極的である。
数歩後ろにいるわたしでさえ圧倒されてしまう。ここに来て思うのはやっぱりモテるよなこいつ、ということ。
わたしは変に力が入っていた体を落ち着かせるように息を吐いた。
もういいじゃん、バレンタインだよ?
トラウマとかそんなんじゃなくて、嫌な思い出とか、嫌いだとか…
そんなのいつまで気にしてるの?
好きになれなくても、それでも。
いつも通り笑って普通に過ごしても良いでしょ?
後ろなんか見てないで、
今ある目の前の事に目を向けよう。
恥ずかしい過去じゃない、
昔があって今のわたしなんだ。
前を向いて、少しでも進もう。
バレンタインデーは
わたしに勇気をくれた。

