母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
 翌日、もしかしたらと思って早めに教室に入ると、
いつもは一番先に来てるはずの晴美が、いなくて、
そこには誰もいない、クリアーな空間が
広がっているだけだった。

〈は~、やっぱりいないか〉

 私は、わかってたことだけど、はるみがいない現実を
目の当たりにすると、やっぱりショックだった。

〈当たり前だけどさ〉

と思ったとたん、いきなり賑やかな声が聞こえてきた。

「あ!、やっぱいねーか。
なんかやる気なくなったなー」

 その声が聞こえると同時に、ミチ君をはじめ、
男子全員が入ってきた。

「ちょっとどうしたの?、
いつもなら遅刻寸前に飛び込んでくるのに!」

 私が、聞くと

「そりゃ紗季ちゃん、
もしかしたら、晴美ちゃんが授業前に、
寄るかもしれないじゃん!」

〈あ、やっぱり同じこと考えたんだ〉

「ばっかじゃないの?
そんな事あるわけ無いでしょ!」

 私は笑いながら冷やかしたけど、
ほんとは同じこと考えたんだけどね。

「だよなー、晴美ちゃんいないなら、
帰ろうかな」

 ミチ君が言うと、男子達がいっせいに、

「とりあえず、カフェでも行くか」

 って、教室を出ようとしたところで、
寧子が入ってきた。

「ちょっとあんた達、もしかして
晴美ちゃんがいないから、帰ろうとしてない?」

 ミチ君達は、図星だったから、しどろもどろで、

「いや、そういう訳じゃないけど・・・」

 って答えた。
そしたら寧子が、

「あんた達、晴美ちゃんに
すぐ同じクラスに行くって、約束したんじゃないの?」

「それは、そうだけど・・・」

 ミチ君達は、バツが悪そうに、答えた。
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