母と妻と女の狭間で・・・ 留学時代編
 いよいよ、Golden Dragonの中に入ると、
私達には、見慣れた金と赤の装飾。

 でも、あさひはかなり珍しいみたい。
周りを、キョロキョロ見回してる。

 それから、お店の真ん中のテーブルに着くと、
私は、メニューを広げているあさひに言った。

「なにか食べられないものある?」

 あさひはメニューを見ながら、

「とくに無いけど、しいて言えば、
甲殻類が苦手かな」

 さりげなく、好き嫌いをGet!
ちょっと嬉しい。

 それにしても、甲殻類が苦手なんて、
変わってる!
 
 私なんか、海老だって、蟹だって、
お腹いっぱい食べたいのに!

「あんなに美味しいのに、
食べたくならないの?」

 あさひは続けて、
 
「別に気にならない。味が嫌いだし、
少しアレルギーっぽいから」

 へー、ちょっと聞いたことはあるけど、
甲殻アレルギーなんだ、可哀想だな。
 
 ふっと、顔を上げると、ヤマさんと寧子が、
顔を見合わせて、ニヤニヤしていた。
寧子が、

「なに2人の世界に入っちゃってんのよ!」

 と、噂好きのオバサンのような顔をして、
指で私の横っ腹を突きながら、言ってきた。

「ちょっと、やめてよ!
そこ、弱いんだから!」

 そう言うと、照れ隠しに、寧子の頭を
ぽんって叩いた。
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