オフィスにラブは落ちてねぇ!! 2
「降ろして下さい!スカートがっ…!!」
愛美がそう言うと、緒川支部長は慌ててずり上がりそうになるスカートの裾を押さえるようにして担ぎ直した。
「お姫様だっこの方が良かったか?」
「両方いやです!!とにかく降ろして下さい!」
「問答無用。このまま行くぞ。」
緒川支部長が愛美を担いだまま支部を出ようとした時、支部の電話が鳴った。
「あっ、電話出ないと!降ろして下さい!」
愛美が緒川支部長の背中をボカボカ殴る。
緒川支部長は小さく舌打ちをして、愛美をそっと椅子の上に降ろした。
愛美がホッとしながら電話に出ると、相手は佐藤さんの担当地区の既契約者だった。
「佐藤さん、渡辺様からお電話です。」
佐藤さんに受話器を渡すと、愛美は何事もなかったかのようにパソコンに向かう。
緒川支部長は愛美の横顔を見ながらため息をついた。
(心配してるのに…。)
佐藤さんは保留ボタンを押して、緒川支部長の方を見た。
「渡辺さんのご主人、この後お時間あるそうです。3時半までならご自宅にいらっしゃるという事なんですけど…。」
「…わかった。すぐ伺うと伝えて。」
「ハイ。」
佐藤さんが電話を切ると、緒川支部長はまた椅子ごと愛美の体を自分の方に向けた。
「戻ったら病院に連れていくからな。」
「仕事終わったら自分で行きますから。」
「ああもう…。」
どんなに心配しても愛美は言う事を聞こうとしない。
緒川支部長は険しい顔をして支部長席へ戻り、出掛ける準備を済ませて佐藤さんと一緒に支部を出た。
愛美がそう言うと、緒川支部長は慌ててずり上がりそうになるスカートの裾を押さえるようにして担ぎ直した。
「お姫様だっこの方が良かったか?」
「両方いやです!!とにかく降ろして下さい!」
「問答無用。このまま行くぞ。」
緒川支部長が愛美を担いだまま支部を出ようとした時、支部の電話が鳴った。
「あっ、電話出ないと!降ろして下さい!」
愛美が緒川支部長の背中をボカボカ殴る。
緒川支部長は小さく舌打ちをして、愛美をそっと椅子の上に降ろした。
愛美がホッとしながら電話に出ると、相手は佐藤さんの担当地区の既契約者だった。
「佐藤さん、渡辺様からお電話です。」
佐藤さんに受話器を渡すと、愛美は何事もなかったかのようにパソコンに向かう。
緒川支部長は愛美の横顔を見ながらため息をついた。
(心配してるのに…。)
佐藤さんは保留ボタンを押して、緒川支部長の方を見た。
「渡辺さんのご主人、この後お時間あるそうです。3時半までならご自宅にいらっしゃるという事なんですけど…。」
「…わかった。すぐ伺うと伝えて。」
「ハイ。」
佐藤さんが電話を切ると、緒川支部長はまた椅子ごと愛美の体を自分の方に向けた。
「戻ったら病院に連れていくからな。」
「仕事終わったら自分で行きますから。」
「ああもう…。」
どんなに心配しても愛美は言う事を聞こうとしない。
緒川支部長は険しい顔をして支部長席へ戻り、出掛ける準備を済ませて佐藤さんと一緒に支部を出た。