ねぇ、松風くん。~潤*祐樹side~

早川くんにだけ大胆に



電話を切った俺はベッドに沈みながら考える。


最初は、ただ本当に偶然 席が隣で。


教科書忘れちまって、見せて貰ったんだっけ。


【綾瀬 くう】
犬みてぇな名前だなって、思った。



……ただ、それだけだったはずなのにいつからだ?いつから俺は


気付けば目で追ってた。


本当は、告白されてんのだって今思えばアホみてぇに妬いた。

あのキスだって…俺のただの私欲を行動に移しちまっただけだし、


結果としてあいつを


「…傷付けたよなぁ。」


見上げる天井は高く、そして限りなく白に近い。


今の俺の心は、相変わらずモヤモヤしたまま晴れることを知らない。


…明日、謝るか。
あいつならちゃんと、許してくれる。


んで、振られてもいい。伝えてやるよ。

もう、気付かないフリは出来そうにないほど大きくなっちまった気持ち、全部。
< 62 / 68 >

この作品をシェア

pagetop