ねぇ、松風くん。~潤*祐樹side~


なんて思ってたのに。


「…早川くん、も、もう一回。」

「〜〜っ!……はぁ。そんな煽ったら、もう止まんねぇよ?」


いつもは控えめなくせに、なにこんな時に大胆発言してんだよ。

加減してやれねぇから。
もう、俺だけのもんにする。

つーか、俺以外がお前にこんな事したらまじタダじゃおかねぇ。


俺のキスを受け入れて、幸せそうなその顔を、ずっと、ずっと抱きしめたままでいたい。


本気でそう思う。


「くう。」

「…は、い。」

名前で呼ばれるのがまだ慣れないのか、それともキスを思い出して今更 恥ずかしくなったのか…いや、両方か。


赤面しながら俯くコイツの顎を持ち上げ、視線が交わる。

「俺以外にあんな顔、すんなよ。」

「ど、どんな顔?」


無自覚はこれだから困る。


「…もう、俺以外に好きって言えないくらい甘やかしてやる。」

だから、ずっと側にいろよ。


「早川くんしか見えてないよ。」

「……!…っんとに、無自覚。」

お前に変な虫がつかないか心配で仕方ねぇ俺は、松風の気持ちが今更 わかった気がするわ。


なぁ、くう。1回しか言わねぇから、ちゃんと聞いとけよ。

自分に自信がなくて控えめなとこも
その笑顔も、何気ない仕草も
俺にだけ見せる大胆なとこも

全部、全部…。


「…愛してる。」

「〜〜〜っ!!」



【 早川side E N D 】
< 67 / 68 >

この作品をシェア

pagetop