正義の味方に愛された魔女1
3 正義の味方との出会い
Voice of hartの経営は、開店当時のスピリチュアルブームの助けもあって、
繁盛とまではいかなくても、
贅沢をしなければ普通に生活出来るくらいには成り立っていた。



母子家庭にしては恵まれていた方だと思う。



息子の隼人は、学校でも友達に特に聞かれるまで、
母親と二人暮らしだとは思われていないようだった。



『シングルで育てた割には、屈託なく素直でしっかりしている』とお世辞を良く言われたが、
『シングルだとそうは育たない』という偏見が心の裏にあることに、言ってる本人は気づかないし悪気もないのだ。

そこは、当たり障りなく謙遜混じりのお礼を返していた。


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