恋のお試し期間


本日は快晴。暖かさもちょうど良くスポーツ日和。
前日に念入りに準備をして早めに寝た里真。
ニヤニヤしながら朝起きて、ご飯を食べて。

また思い出してニヤニヤしていたら

「姉貴、まじキモイ」

と危うく塩をまかれそうになったが家を脱出。

さあ今日は彼との素敵な思い出の日にする!





「ストーカーですか」
「ふざけんな」
「……他人のフリしますか」
「そうしたい所だが美穂子がガッツリ見てる」
「仕方ない。喧嘩はやめてくださいね」
「ガキじゃないんだ。喧嘩なんかしない」
「でも」
「里真。準備出来たよ、行こう」
「誠人もそんな怖い顔しないでこっちきなさいよ」

楽しいデートが地獄にかわったのはそこに到着して直ぐの事だった。
最初は見間違いかと思ったけれど、こっちを凝視している美人は美穂子。
ということでそのお隣で仏頂面をしているのはやっぱり矢田。
ダブルデートの話をしていた矢先にまさかの遭遇。

これは何のイジメだろうか?

顔を合わせた里真もそうだが矢田も酷く疲れた顔をしてため息をした。
何も知らない美穂子はこんな事もあるのねと嬉しそうにはしゃいでいる。
里真と矢田は渋々合流。
そこで女子同士の会話が始まる。


「そんな怖い顔しなくてもいいんじゃないかな」
「……」

残った男二人は反対に冷めた空気。

「無視とはまた相変わらず子どもみたいな事をするね」
「あんたに関わるとロクな事がないって思ってるだけだ」
「里真に何をいったのか知らないけど、あまり関わってきてほしくないな」
「命令される覚えはないんで」
「あくまでお願いだからね、強制はしないよ」

そう言いながら圧力をかけてくる。この男はそういうイヤラシサがある。
矢田は何か言いたそうな顔で一瞥し、視線を戻す。

「……白々しい」
「そういうことで。よろしくね。誠人君」


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