リューゲ・ヴェルト
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ペロッ…
頬に生暖かい感触を感じ、目を開いた。
「・・・はっ?」
茶色い天井が目の前に見える。どうやら仰向けで寝ていたらしい。
しかし、丸太を組んで作ったような天井に全く見覚えがない。
得たいのしれない不安に襲われ、慌てて起き上がろうとした。
だが動けない。いや、正確には力が入らないと言った方が正しい。
それでも、ここが何処かだけでも把握しようともがいていると、顔が辛うじて横に向いた。
「うゅーん」
目が合った。
「・・・」
もう一度目を閉じ、考える。
(きっと、見間違いだ。まだ寝ぼけてるんだな)
再度目を開いた。
「うゅーん?」
「・・・タヌキっ!?」
見間違いではなかった。顔のすぐ横でタヌキが首をかしげ座っている。
(一体どうなってるんだ…)
何処とも分からない場所で目覚め、起き上がることもできず、横を向いたらタヌキと目が合った。
きっと、これは夢だ。変な夢を見ているに違いない。
そんな現実逃避のような考えをし始めた時、足音が聞こえてきた。
何かを探しているのか、何度か立ち止まり、扉を開けるような音を立てながら近づいてきている。
音のする方へ何とか顔を向けると、扉が目に入った。そして、その扉の前辺りで足音が止まる。
ガチャッ
「」