龍神のとりこ
呼び掛けた声にコハクは顔を向けた。
まっすぐと瞳を交わした龍神。銀髪が眩しいほどに輝いて見えた。

「長い時を分かち合う間に大事なものを無くすなよ。


しっかり見張っておけ。」
最後はにやっと口元をあげた。


コハクもにやりと笑って見せた。

浮いた脚をばたつかせ、降ろせと言ってくるトーコをコハクは更に高く抱き上げた。
「きゃぁあっ!」
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