龍神のとりこ
額にあたたかい感触がして、顔を上げた。
コハクのおもしろがっている顔がある。

空かさず、ちゅっともう一度、額に、、
くちびるが降りてきた。

「もう少し確かめれば、、何かわかるかもしれない。」
にやりと笑うコハク。

「今の、うそだったの?!」
「お前、おもしろくて。からかいたくなる。」
トーコを抱きしめたまま、肩を揺らして笑う。

「ひ、ひど、、っ、!」


「でも、全くの嘘じゃない。」
トーコの頭をそっと撫でる。

「トーコに力があるなら、俺が早く龍神に戻れるよう助けになるかもしれない。」
緑の瞳はもう笑っていなかった。

「守ってくれる代わりに、、」
トーコはごくりと唾を飲み込んだ。

「襲いはしない。やっぱりおもしろいな、トーコは。」
ふっと笑う。だけどトーコは不安で笑えない。
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