龍神のとりこ
1.光の粒と石像男
すっと橙色の光が伸びてきた。
空を破り、きらきら輝くその光の粒たちはひとりの少女を運んできた。

光は樹々の繁る森に少女を降ろした。
「ここは、、どこなの、、」
辺りを見回す少女。
身体を包む光が眩しくて、目を細める。

「石像、、?」
目の前に石像らしいものが一体。
他には繁った樹々しか見当たらない。


石像を見上げる。
若い、、男の全裸の石像に見える。
何を現している石像なのか、、
「ここはどこなんだろう。。」

突然光に包まれて、、気がついたら
今ここにいた。

「思い出せない。。あたしは、、」
その前までのことが何も思い出せない。
、、、

ぼんやりとする頭に手をやりつつ、
思わず少女はつぶやいた。
「きれいな人。。」

真っ白な石像に手を触れる。

「あたしは、、」


思い出そうとしてみても、頭が真っ暗になって何も思い出せない。
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