龍神のとりこ
8.ふたりの龍神と巫女
「いや、、、もう1人の龍神がまだ生きているかどうか、本当は確かじゃない。

俺がどれくらい眠ってたのかわからないからな。俺が石像にされるまでは、もうひとりいた。」

トーコはじっと耳を澄ませている。

「そして、巫女がひとり。

この世界で龍神は常に人間の世界から来た巫女と対を成す。

巫女と交わって力を得、それを保つ。」

「人間?人間って、どういうこと??その巫女はどうやって来たの?」

トーコはコハクに食いついた。

「さあな。」
「さあって???」

「俺がその巫女を連れてきたわけじゃないからな。」
迫るトーコの腕を引き剥がす。
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