龍神のとりこ
トーコは身体をびくっとさせた。

「心配ない。小動物だろう。」
コハクはぴくりともしないで果物を割いて渡してくれている。
緑色の瞳でトーコを見た。
「結界を張ってある。さぁ、食べろ。」

ぽと、と手のひらに置かれた瑞々しい果物。
採れたてのようだ。


「コハク、あたし、」
緑色の瞳が、なんだ?と言っている。
ほんとに、あたしのことをリスだと思ってるみたいに世話してくれてる。

「あたし、コハクが早く龍神に戻れるように手伝うね。」
面食らったようなコハクの顔。

トーコは真剣にコハクを見つめた。

しばらくの間。


「何か出来るのか?」

「わ、わかんないけど。。帰る方法が見つかるまで、守ってもらってるだけじゃ悪いし!手伝わせて!」
トーコは両手を拳にしてみせた。

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