龍神のとりこ
ぷ、っとコハクは声をあげて笑った。


「なんで笑うの?ほんとだよ?手伝うから!」

コハクはあんまりに真剣に訴えるトーコがおもしろくて、小動物のような姿が可愛くて、笑った。
大声で笑ったことなんて、あっただろうか?

「わかった。」
コハクはまたひとつトーコの手のひらに果物を載せた。

頬張ろうと開けた口に、ちゅっとコハクのくちびるが重なった。
「これも俺の助けになる。」

トーコの叫びは遮られた。。
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