龍神のとりこ
11.歳月
シオウは年老い始めていた。
巫女も龍神と共に同じ歳を重ねる。

龍神と交わった時から人間ではなくなる。

コハクが眠りについてから長い時が過ぎていた。


「、、ジン?」

傍に愛する者の温かみが無いことに気がつき、
シオウは瞼を開いた。

いつもそばにいるはずのジンの姿がない。

ゴロゴロと喉がなった。


食事にでも行ったか?



2人きりのこの世界でジンが他に行く先はないとわかっている。



シオウは愛する者に触れたくて、寝所に横たわっていた身体を起こした。


彼女の気を探し、立ち上がった。

「ここに居たのか。」

彼女の気を見つけ、ふわりと移動した。


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