龍神のとりこ
17.怒り
「あら、私は術を解いただけよー?んふ。」
押し付けた身体をぴたりとコハクに張り付けるように、腕を絡める。固まったコハクの身体に唇を這わせてくる。胸元に、肩に、首元に、、

「早く私とーーー」

トーコは叩きつけられた痛みで顔を歪め、指先をぴくぴくと動かしている。言葉にならない声が漏れ、薄く開かれた目から涙がこぼれて、、
微かにくちびるがコハクの名を呼んだ。


コハクの雄叫び。

身体に回された腕もくちびるも、コハクには鬱陶しいものでしかなかった。
「トーコを傷つけるな、、、っ!!!」
絡みつく女を覇気で吹き飛ばした。



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