龍神のとりこ
24.シオウの刃
隣で眠るジン。

穏やかに眠るその頬にかかった漆黒の髪を
そっと手で払い、シオウはゆっくりと腰を上げた。

ジンと愛し合ったことで、身体中に力が満ちているのがわかる。
老いていた身体に力強い鼓動が駆け巡っている。

脚の鱗もぎらりと艶がよくなったように見える。


顎に手をやった。
『さて・・・・』


ふっと部屋が変わった。

シオウは洞穴の中の、他の部屋に場所を変えた。


「コハク、どこにいる・・・」

腰まである長い銀髪がふわ、、っと浮き上がる。

瞳が紅色に輝く。


部屋の温度が一気に上がった。



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